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2021年2月16日 (火)

90年代ファッションはブランド主義の復活でもある!

ヤングマーケットを筆頭にオーバーサイジンングの着こなしが増えている。朝の通勤時間にズリ下がったリュック姿を見ると思わず苦笑いをしてしまう。まるで昔の自分を観ているようだから。

そう今、ファッショントレンドは完全に90年代に向かってカジを切り始めている。

空気を読む!?個性を消した時代

*ノームコア(Normcore)と云う、偉大なる普通服!?と呼ばせてもらおう。ファッション・シーンにおいては永らく普通服がスタンダードで格好良かった。何処のブランドって訳じゃないけど、オックス生地のボタンダウンシャツに袖を通せば誰だって、3割増しに賢そうに見えたものだ。とある大学のキャンパスの風景からもデニムシャツ+チノパン、赤チェック+ジーパン姿の学生達がクラスメートと着てきた服が被ってしまった、画像がネットに流れて失笑もした。その場の空気を読めばこの格好と、完全に『個性を消した』時代だった。

双子コーデの登場!

その『個性を消した』時代の産物のひとつが双子コーデ。みんなでドレスコードを決めてお揃いのファッションで出掛けるのは、同じデザインの洋服を着る事で味わえる一体感を楽しむのであって、制服や作業服と何ら変わらない。

今、手元に90年代に発売されたファッション雑誌『Boon』があるが、もう一度この時代が来るのかと思うとニヤけずには要られない。いつの時代でもそうだが、ファッションは完全な焼き直しに(リバイバル)は成らず、必ずその時代の技術や色が加わってくるから面白い。

セレクトSHOPでは懐かしの~がオンパレード

さて、本題に入ります。それはとあるセレクトショップのトラックパンツの品揃えにビックリしたことから。ナイキ、アディダスは、まぁ分かるとしても。リーボック、レノマ、カールカナイ、FUTUR、チャンピオン、ティンバーランド、BLSって、コリャ何でもアリ!? 

この春はFILAのナイロンパーカーを店頭で随分と見かける、それも大胆な色使いの切り替えで。そしてそこには大きくブランドのロゴが入っている。一般の人からするとブランド=マーク()だから覚えやすいし、分かりやすい。その大胆なデザインがブランドの印象となって、そのままブランドの魅力になっていく。

ブランド選択の時代へ

こういった図式が増えれば増えるほど、今度はブランドが与える影響力が強まってくるし、消費者も購入・識別のひとつにはっきりと「ブランドの選択」が加わる。昨年冬のカナダグースやノースフェイス・ダウンJKの人気などが良い兆候。これから夏に向けて、懐かしのサーフブランドやTシャツ肌着ブランドのマークやロゴをもっと目にするかも。

そして大衆的で普通のファッションから、個性をアピールするのが格好良い時代が訪れる。

そのきっかけになる年かもしれない。

 

*ノームコアnormal hardcoreの造語で究極の普通を意味したファッションスタイルを指す。ニューヨークが発信源とも、スティーブジョブス氏の黒のタートルネックにジーンズ姿がアイコンとして紹介されることがある。

(2018年3月14日に執筆したものです)

 

 

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