2021年6月 9日 (水)

和装文化について考えてみる

総務省の二人以上世帯の家計調査をまとめたグラフを見てほしい。

Photo_20210609065401

 

これは20年前から和服関連に関して年間の支出額の推移をまとめたもの。2000年当時は9,394円あったものが、直近の2021年では1,395円にまで落ち込んでしまった。もはや家計調査の支出項目の中でもに位置している。

 

これは日本人の和装離れといったレベルではなく、和装としての文化の存続自体が危ぶまれているような気にもなる。今回は日本の装いの歴史ともいえる和装ビジネスについて取り上げてみたい。

 

呉服着物の小売市場規模は横ばいから徐々に縮小傾向にある。矢野経済研究所の調査資料によれば、ここ10年間では2013年に3,010億円を記録したのをピークに、2019年では2,605億円と2割以上縮小している。

 

呉服着物そのものは、今や愛好家や伝統行事によって支えられている市場といっても過言ではない。しかし、成人式を見送った自治体も多かったことを思えば、様々な業界に甚大な被害をもたらしたコロナ禍が、和装業界にも少なからずダメージを与えたことは想像に難くない。

 

和装事業大手の株式会社一蔵の2021年3月期の第3四半期決算を見てみると、和装事業の累計売上高8,431百万円と前年四半期比1、セグメント利益は12百万円と前年同四半期比98.8%減と大幅な減収減益。一方で受注残高は3,363百万円と前年同四半期比で2.1%の増加している。

 

これは主に振袖事業に関した受注額の伸びで、直近のコロナ事情では悲観せずにいられないものの、。可愛い娘の成人式に振袖を用意する習慣は、孫に高級ランドセルを贈る祖父母の存在と共通しているのかも知れない。

 

ここで少し歴史を振り返ってみたい。日本に洋装文化が輸入され始めたのは明治以降のことだが、一般の人にまで普及したのはずっと先の話で、敗戦後の復興期辺りからの話となる。ここに昭和(1941年)当時の街頭アンケートがある。日本の伝統着だった和装が洋装化していった変遷の一端を解説しよう。

1941_

先ずケート結果の特徴としてはっきりとしているのは、若い学生達と社会人・専業主婦(家庭婦人)との世代感による着こなしの違いがハッキリと見て取れることだ。特に女学生と専門学生の生徒達は普段着にも、外出着にも着物だけで通す者は一人もいなかった。

 

反対に一年中、洋服で通す者は家庭でも半分、外出の時はそれ以上ある。これは学生の特権で、明治・大正のころは学校で袴をはいても家へ帰れば必ず脱いでいた。昭和16年(1941年)ともなれば、洋服はすっかり身についた服装となって、家ではもちろん、買い物や映画や旅行でもそれで押し通すようになっていた。

 

ふだん着として支持を集めていた洋服は、いわゆる簡単着、ホームドレスの類という点だ。これは夏には涼しく快適で、実用性として十分に利用価値があった。しかし、それが外出着にふさわしい立派なものとは、彼女たち自身も思っていなかったであろう。きっと都会風俗の外出着の中では、洋装は未だ間に合わせの服という位置づけだったに違いない。デパート店員を始めとした大人の女性達の中では着物が、フォーマルな装いだった事がわかる。今でも成人式や結婚式といった晴れの日イベントでの登場が多いのもこの時代からの名残だといえる。

 

反面、若者の和装離れがこの頃より始まっていた。簡単に脱ぎ着の出来る洋服から、着付けそのものに技術を要する着姿に戻ることなかった。フォーマルな装いとしての文化が、世代継承出来なかったと考えられる。

 

しかし、時として和装がファッショントレンドとしてクローズアップされることがある。2016年、2018年にかけて映画化された『ちはやふる』の影響による大正ロマン着物。当時、都内の小学校卒業式では女子生徒の多くが色とりどりの袴姿で、特別な日を祝った。そして最近ではやはり『鬼滅の刃』だろう。この漫画も時代背景が大正時代で、主人公の妹が着ていた「麻の葉文様」はファッションマスクにまで取り入れられていた。新型コロナウイルスワクチン接種推進担当大臣までもが、記者会見でこのデザインのファッションマスクを装着していたぐらいに広がった。

 

日本の伝統ポップスの演歌界からも、新感覚着物として注目を集めた大物歌手がいる。ド派手な衣装で話題をさらった小林幸子。彼女の代表曲のひとつの「千本桜」は、初音ミクのカバー曲だ。配信ライブで袖を通した着物にはモナ・リザや英字新聞をモチーフにした和洋折衷姿で唱いあげる。海外では、ロシアフィギア選手たちの日本文化好きもよく耳にする。最近ではメドベージェワ選手が、2017年に京都で撮った自身の舞妓姿がSNSで話題になった。相変わらず外国から映る和の装いは、日本らしさと日本文化を代表するアイコンとして永く親しまれてきている。

 

つまり、コロナ禍にあっては、外国人観光客の来日も望めないし日本の伝統行事の催し自体が行われていないのは、着物や振袖を着る機会そのものが失われた危機的状況。和装ファッションにもスポットが当たっている現在だからこそ、SNSを始めに若者との親和性の高いツールを使って和装への関心を高めていく仕掛けが必要となる。

 

そうすれば、ワクチン接種率の高まりとともに日本の感染者数も抑え込まれた日こそが、抜群なハレの日となる。その時こそ米国の独立記念日のように、花火とともに日本の伝統的な和の装いでハレの日を祝うのも悪くない。

 

そして、コロナ禍によって止む無く中止になってしまったセレモニーを改めて催すイベントがあっても良いのではないか。特にハレの日イベントは、周りから祝われるものだし、長い人生の中の2~3年遅れの催しは許容されるレベルなはずだ。確かに、過ぎ去った時間は取り戻すことは出来ないけれど、特別な機会は周りから作り出すことは出来る。そんな懐の深い日本社会であって欲しいと、願わずにはいられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年2月16日 (火)

アパレルのショッパーは正か否か?

 私たちは度重なる異常気象や自然災害を目にするたびに、地球環境について考えさせられる。来月、大阪で開かれる20カ国、地域首脳会議(G20)でも廃プラの海洋汚染対策について話し合われる予定だ。使い捨てプラステックストローの紙製化やペットボトルの再生システの確立など連日ニュースとして取り上げられている。そうした流れの中、アパレルショップで当たり前のように使われているショッピングバッグ(後述はショッパーと称する)について、今後どうあるべきかを考察してみた。

ファッション・アイコンとしての役割

業界では、永らくブランドビジネス広告手段の一つとしてオリジナルショッパーが使われてきた。古くはVANの紙袋を小脇に抱えて闊歩する姿や、80年代のDCブランドブームでもオリジナルショッパーはファッション・アイコンとしての役割を担ってきた。さらにハイブランドのショッパーは二次流通や記念としてとっておく人も居るだろうし、高級百貨店のショッパーは今でも、ちょっとした御礼を渡す時や個人間の貸借に洒落た包装用紙として活躍する場面があるだろう。そうした利用価値の認められたショッパー達は、大なり小なりメルカリなどで売買されている。

では、ポピュラーブランドではどうか。購入後に持ち歩く姿を他者から視認されることによってブランド広告的な価値は等しくある。今やブランドサインとショッパーデザインを共有化させブランド認知を深めるようなやり方は、半ば常識として根付いているのが現状だ。

グローバル・プレイヤー達の先行例

そうした中、グローバル展開企業の動きは敏感だ。H&Mは昨年12月から従来のプラスチック製ショッパーを紙製にして、アクセサリー用最小サイズを除くすべてのショッパーを一律120円で有料化した。ZARAもプラスチック製ショッパーから紙製に切り替える計画で、ユニクロはレジ袋以外に商品包装材も全面刷新する予定。無印良品の銀座店では、ほとんどの商品が紙袋に入れられて、寝具や大型の商品についてはポリエステル製の手提げ袋が1枚150円で有料化されている。

このショッパーの有料化はマイバックの持ち込みを奨励する意味合いが強いようで、H&Mでは有料化による余剰金(紙製バッグの製造コストを除いた分)はすべてWWF(世界自然保護基金)ジャパンへ寄付。無印良品では銀座店に限って先の有料手提げ袋を持ち込めば150円キャッシュバックして引き取るとのこと。ショッパーの紙製化は、グローバル展開企業にとって避けて通れない課題といえそうだ。

ハイブランドの取組

ハイブランドについてもエシカル(論理、道徳上の正しさ)やサステイナブル(持続可能)な物作りなどをテーマとして取組むケースが増えている。例えばグッチの加入によって一躍話題にのぼった「ファーフリーアライアンス(Fur Free Alliance)」や、ヴィヴィアンウエストウッドによる「エシカル・ファッションアフリカ」など。枚挙にいとまがないほど多くのブランドや企業が様々な方向性や切り口で「地球環境」、「人権問題」、「動物愛護」などと向き合っている。やはり、インターネットから多くの情報が得られやすくなったことによって取り組みのハードルが下がったことが考えられる。反面、ドルチェ&ガッバーナのように動画広告をきっかけに不買運動が起きてしまったケースや、プラダのウィンドウディスプレイが人種差別的だと批判を浴びて謝罪に追い込まれてしまうこともある。

キーワードはESG,CSR,SDGs

環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったESGは企業が長期的な成長のために必要な観点として注目されている事も影響している。特に上場している大企業になれば、こうしたESGCSR(企業の社会的責任)SDGs(持続可能な開発目標)への積極的な取組が、今や企業ブランドの価値向上には欠かせなくなっているのも事実だ。

ヨーロッパの4R

環境先進国の多いヨーロッパでは、ゴミを減らすために4Rという原則がある。Refuse(リフューズ)やめる、Reduce(リデュース)減らす、Reuse(リユース)再使用、Recycle(リサイクル)再生。RefuseReduceReuse3つの「R」でまずゴミを徹底的に減らし、物を捨てる行為の最後手段としてRecycleを活用するといった考えのようだ。

レジ袋も有料化の流れに

そもそも小売店のショッパー削減は世界的な流れにある。国連環境計画(UNEP)は、2025年までにプラスチック製のレジ袋やストロー、食器の使用をやめた上に最終的に使い捨てプラスチックの全廃を目指す戦略を、各国がつくるという閣僚宣言が出された。来年3月の第4回国連環境総会(UNEA4)による採択を目指しているようだ。日本でも環境省の「プラスチック資源循環戦略案」で、レジ袋やペットボトルなどの使い捨てプラスチックの排出量を2030年までに25%削減を決定としたものがあって、早ければ来年辺りから全国の小売店、コンビニエンスストアでのレジ袋有料化が義務付けされる公算も出てきた。

これからのショッパーのあるべき姿

ここまでの流れからみてみると、アパレルのショッパーの紙製化と有料によるマイバッグ(エコバッグ)の利用促進が、これからのアパレルショッパーの辿る道となるだろう。しかし、安価なショッパーは今でもゴミの分別や簡易袋として大いに役立っている現実もある。そうした日常に変化を起こすには、継続的な取組の発信と時間をかけながら少しずつ理解を深めていく必要がありそうだ。

(2019年5月31日に執筆したものです)

 

2020年11月20日 (金)

ニトリのアパレル実験店舗「N+」で何を問う?

 32期連続増収増益を記録するニトリホールディングスは、今や押しも押されもせぬ一大家具チェーン店だ。店舗数は576店を数えアジアを中心に海外にも71店舗を出店している。国内市場ではこれまで地方・郊外型の大規模店舗を中心に出店してきたが、近年は都心型のDECO-HOMEを展開して都心部需要を取り込んでいる。20192月期の売上高は60813100万円(前年同期比6.3%増)、営業利益10077900万円(7.9%増)、経常利益10305300万円(8.6%増)、親会社に帰属する当期利益6818000万円(6.2%増)と増収増益となった。

 

新店舗の名は「N+」(エヌプラス)

その好調ニトリがアパレル専門店を密かにオープンさせていると聞いて、実際に行ってみた。店舗名は「N+」(エヌプラス)といって、都内のららぽーと富士見(2019年3月20日OPEN)と越谷レイクタウン(2019年3月29日OPEN)に計2店舗の出店。そして3店舗目は、10月下旬にテラスモール松戸にオープンさせる予定のようだ。購入サンプルの品質ネームを見ると発売元が株式会社Nプラスとなっている。住所がニトリ東京本部の住所と同じで、株式会社Nプラスの代表取締役はニトリの現役役員が就いている。これは、ほぼ間違いなくニトリが関係していると見て良さそうだ。店舗名の「N+」(エヌプラス)は、ニトリで好評を博した接触冷感素材を使った「Nクール」、吸湿発熱素材を使用した「Nウォーム」。その他「Nグリップ」や「Nクリック」と機能特化型のPB商品で使われている「N」とニトリの頭文字を由来としたのだろうか。

 

PB戦略として領域を広げる

ニトリのPB戦略の進化としてNブランドの次に取り組んでいるのが、商品グレードを取り入れたプライス型MD。廉価ブランドの「プライスバリュー」、中価格帯クォリティブランドの「アンドスタイル」の2ラインを設定。「価格」、「品質」、「デザイン」のバランスを取りながら「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」ことをコンセプトに取り扱い品種を広げてきている。2022年に1000店舗・売上高1兆円、2032年3000店舗、売上高2兆円を目標にしている。国内店舗ではホームファッション中心とした小型店の「ニトリエクスプレス」、「デコホーム」といった新業態店で都市部への出店を加速させている。ファニチャーからファブリックに領域を広げ、今ではオリジナルのランドセルまで扱っている。アパレル関連についても、機能肌着からルームウエアまで年々少しずつ展開商品が増えてきている。今年の夏は、TV番組「ヒルナンデス」とコラボレーションしたワンピースを販売して話題を呼んだ。ニトリ本業では実用衣料から序々にアパレル関連に向けてラインを広げつつある中で、今回の「N+」の出店は、将来的なビジョンを見据えた実験店舗なのだろう。

 

あえてニトリと謳わず

ららぽーと富士見の3Fにテナントしている「N+」は、ABCマートやGAP、グローバルワーク、ゼビオスポーツ、家電量販店のノジマといった廉価型でファミリー志向の高いフロアに位置している。同SC内の2Fには小型フォーマットタイプのニトリEXPRESSがテナントしている。公式HP(https://www.nplus.style/)は立ち上げているものの、その他のプローモーションを展開しているわけではないので、知名度はほぼゼロに近い。現段階ではニトリと関連づけられるツールもないので、「N+」という店舗名と外装デザインだけでは、誰もニトリとの関係についてイメージ出来る人はいない。すると、無名に近いレディスファッションショップのひとつにしか過ぎないのである。又、残念なことに店頭でファッションアピールするような仕掛けや、機能に前面に打ち出したPOP等でお客を誘引させる仕掛けものない。私が行った土曜日の午後、他店と比べ来店客は少ない状態だった。ファッションテナント111店舗の中に埋没してしまっている印象を持った。

 

ZARA的なカラーMDにチャレンジ

公式HPよると「私のための大人服」として年齢をかさねながらも若々しさや感性を失わない大人の女性が毎日着たいと思うファッションを提案するのがブランドコンセプトのようだ。イメージスナップを見た感じでは40,50代以上をターゲットにしているように思える。通勤着からルームウエアまでそれぞれの生活シーンに合ったファッションをカラーコーディネイトとして提案していくとある。よってファッションカテゴリーも「オレンジ&イエロー」、「グリーン&ブルー」、「モノトーン」、「ルームウエア」となっている。シーズンテーマとしてカラーMDを取り上げる例はあるものの、ブランドコンセプトに特定色の組み合わせを持ってくるという発想は、実に大胆であると同時にあまり類を見ない奇抜なチャレンジにも見える。次シーズン以降の展開に注視したい部分でもある。

「お、ねだん以上」!?

プライスラインは別表のようにまとめてみた。アパレルに関しては\1,000以下の商品はなく\1,990、\2,990、\3,990を中心とした構成。特に\1,000代に3プライス揃えているのは低価格にこだわろうとする意思の表れと見てとれる。オンラインショップも持たず、現状2店舗だけの発注量でこの価格帯の物作りが出来ているのには驚かされる。ニトリという好調企業を背景とした強力なパートナシップがない限り実現不可能な取組としか考えられない。しかし、ニトリが掲げる「お、ねだん以上。」と云うとどうだろうか。ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長は著者の中で、「お、ねだん以上。ニトリ」については次のように語っている。「競合商品よりも3~5割値段が安いか3割以上は品質、機能性が優れていることが大前提」とある。仮に競合社をユニクロや無印良品と設定した場合、前述ほどの優位性は、まだ感じられない。SCにテナントしている事から考えても低価格を狙いつつも、客単価を落とすわけにはいかない。それには買い上げ点数を上げていく必要がある。アパレル以外の取り扱いアイテムは帽子、カバン、ストール、アクセサリー、くつ下があるが、補完的な印象が強くどこまでついで買いに貢献出来ているかは疑わしい限りだ。

 

優位性について課題を残す

実際に展開している商品を2点ほど購入してみた。1つは夏の温度調節に便利な羽織アイテムのシアーニットカーディガンで定番商品のひとつ。セール対象で30%OFFの\2,093で購入、元上代は\2,990の商品。甘編みによる透明さから清涼感のあるカーディガンで素材組成はアクリル95%ポリエステル5%のほぼアクリルニットカーディガン。この商品と同レベルの商品を無印良品で探すと、オーガニックコットン・強撚・UVカットカーディガンとなり、ユニクロではUVカット・スーピマコットン・カーディガンが同プライスで購入できる商品となる。それぞれプレミアムコットンを主体にUV機能を掛け合わせた仕様となり、肌触りや素材そのものの質感という点においてアクリルがコットンに勝るとは思えない。いささか気の毒な比較かも知れないが、レッドオーシャンといえるレディスデイリーファッション市場の現実のレベル。そしてもう1点購入したのはバンザイスリーブ・ボーダー柄カットソー。元上代は\2,490の30%OFFの\1,743で購入、ベーシックな商品の品揃えが中心としている中で、感性に訴えたようなデザインの商品も混じっているのは混沌とした印象。特に着てみないとシルエットの特徴が判らない商品で、ハンギングしたままでは売りにくい商品、ターゲットとする年齢感も含め疑問の残る商品だった。

売場は色別陳列にまとめられていて、良く言えばZARA風。しかし、ZARAのように集合マネキンや高さを使った変化テクニックで凄む迫力が有る訳ではない。秋物の新作表記も無ければ、やたら上半身トルソーだけが目立った店内にはファッションを楽しむ雰囲気は感じられなかった。

 

以上の事から、現時点での「N+」に脅威を感じる企業は少ないと思う。本業のニトリ内で領域を広げられる方が、集客力や「N」ブランドの認知、店舗数も考えると、よほど脅威となるに違いない。その前段階の仕掛けだとすればかなり大掛かりな取組だといえる。ニトリ内での領域の拡大スピードが思うように進まず、思い切ってスピンアウトさせてみたのだとすると、かなりの荒治療にも見える。いずれにしても、目立ったプローモーションがないまま現時点での売れ行きを、どう理解して何を判断していくのか。ファッション・アパレルというレッドオーシャン市場にわざわざスピアウトの形で出店してみた意図と狙いは、これからの「N+」の動向に関わってくるはずだ。

(2019年8月23日に執筆)

2020年4月11日 (土)

2020年3月「コロナショック!!」全企業で前年割れ

3月は新型コロナウイルス感染の影響が本格化し始めた月度となった。

大きなきっかけとなったのは、全国の小中学校、高校、特別支援学校を3月2日から春休みまで臨時休校とする要請だった。

この要請の与えたインパクトは大きくお年寄りは怖がって外出を控えるようになり、

セレモニー商戦の最終章は不発に終わってしまった。

生活者の日常活動が行えない非日常化の始まりでもあった。

子供達の長期休日によって生まれた需要もあっただが、

それも3連休の最終日まで。五輪延期の報とともに堰を切ったかのように、

外出自粛要請の発表。3月最終週の土日は都内の主要百貨店、

ファッションビル、大型ショッピングセンターなどが一斉休業という前代未聞の事態となった。

各企業の3月実績はそれぞれの施策以上に、これらの外的要因によるところが大きい。

「巣ごもり消費」はアパレルにも影響していてネット経由による売上増、実店舗では売上減は共通項。

しかし、ネット経由による売上だけでは全てをカバー出来るほどのパワーは見込めず、

EC環境の整備状況がそのまま3月度の数字に表れた。

 

 

ユナイテッドアローズ(既存店*1)売上高75.8%、客数87.2%、客単価85.4%

〈主要施策〉オリジナルブランドBRACTMENT「2020SPRING COLLECTION」/

〈話題の取り組み〉ハイゲージコットンスウエットシャツ(AURALEE)、KevinCummins撮影BjorkフォトプリントTシャツ(idilliaco)/

〈注目アイテム〉〔レディス〕[手洗い可能/サラフール] ノーラペル ジャケット(税込15400円)、トリアセ マットクロス ダブル テーラード ジャケット (税込み17600円) 、〔メンズ〕テープヤーン リンクス編 クルー ニットベスト (税込み6490円)

  今月は前年同月と比べ休日が1日少なく-1.2%程度の影響があったと推測される。

コロナウイルス感染拡大による営業時間の短縮や週末営業の自粛など都内店舗を中心に実施した。

リアル店舗のみの既存店売上高を見ると61.2%とかなり厳しい数字となった。

子会社のカジュアルチェーン店(86店舗)のコーエンも全社売上高前期比は73.9%と全業態に影響があった模様。

 

ユニクロ既存店*2)売上高 72.2%、客数 67.6%、客単価 106.9%

〈主要施策〉JWアンダーソン2020春夏コレクション発売

〈話題の取り組み〉ディズニー・ラブ・ミニーマウス・コレクション・バイ・アンブッシュ発売

〈注目アイテム〉〔レディス〕: スラウチテーパードアンクルジーンズ(税抜き3990円)、ワッフルオーバーサイズクルーネック長袖T(税抜き1500) 、〔メンズ〕U企画クルーネック長袖T(税抜き1990円)

新型コロナウイルス感染症の影響から客数が大幅に減少。

3月は最大で約260店舗を時間短縮営業、3/28,29の週末は63店舗を臨時休業となった。

又、政府の「緊急事態宣言」発表を受けて東京都内の店舗を中心に営業時間短縮や4/8~5/6まで休業決定し、

4月の売り上げも厳しい数字が予測される。

2020年8月期上期実績は、売上高1兆2,085億円(前年同期比▲4.7%)、

営業利益1,367億円(前年同期比▲20.9%)と減収減益となった。

暖冬の影響から冬物衣料の販売苦戦、新型コロナの影響もあり、

国内ユニクロ事業の売上で▲277億円、海外ユニクロ事業で▲387億円、

ジーユー事業+150億円と基幹事業で足を引っ張った。

新型コロナ感染による影響は、国内ユニクロ事業で4月→5月▲30~▲10%、

6月→8月▲10~▲5%と予測。通気予想は売上高2兆900億円(前期比▲8.8%)、

営業利益1,450億円(前期比▲43.7%)の減収減益を見込む。

 

アダストリア既存店)売上高 75.8%、客数 80.0%、客単価 94.7%

〈主要施策〉対象商品購入で先着アクロン洗剤プレゼント(グローバルワーク)

〈話題の取り組み〉Fun GOING on LIFE(スタジオクリップ)、韓国ブランドshe said thatコラボレーション(ニコアンド)

〈注目アイテム〉〔レディス〕美(うつく)シルエットテーパードパンツ(税込4290円)、ジェギンズ(税込6050円)、 〔メンズ〕MOTION TECHスキニー(税込4950円)

20202月期の決算が発表された。売上高2,22376百万円(前年同期比0.1%)

営業利益12885百万円(前年同期比79.2%)、経常利益12843百万円(前年同期比74.8%)と減収増益だった。

しかし、全体の94%の構成比がある国内売上は2,0979百万円とプラス1.1%の増。

基幹ブランドの「グローバルワーク」、「ローリーズファーム」の復調が寄与したようだ。

収益面でも値引き販売を抑制する運営によって値引き率が改善、

売上総利益率は55.5%と前年同期比1.6ポイント増となった。

月を通じて国内店舗の約9割で12時間の短縮営業を実施、

月末週末の外出自粛要請によって関東エリア277店舗で休業、

その反面としてEC販売が伸長、

自社、他社ともに前年比110%を超えたが影響は限定的だった。

 

良品計画(既存店)売上高 72.8%*3、客数 92.3%、客単価 92.5%

〈主要施策〉無印良品週間(3/204/7

〈話題の取り組み〉3/26まで期間限定価格

〈注目アイテム〉〔レディス〕ムラ糸裏毛ジップアップパーカー(税込2990円)、太番手天竺編みドロップショルダー七分袖ボーダーTシャツ(税込み2990円)、〔メンズ〕日焼けを防ぐUPF50ジップアップパーカー(税込み2990円)

新型コロナウイルスの影響から客数が前年を下回った。

食品、生活小物は好調に推移したようだがファッション衣料など急を要しない商品群は伸び悩む。

本来ならば「新生活準備」をテーマに盛り上がりを見せる月度だが、

今年は始業開始日もそれぞれで足並みが揃わず来店による購入客が例年に比べて少なかったのではないかと思われる。

 

 

*しまむら(既存店)売上高87.9%、客数 87.5%、客単価 100.9%

〈主要施策〉ベビー&キッズフェア

〈話題の取り組み〉韓国アイドルグループOH MY GIRLコラボ

〈注目アイテム〉〔レディス〕カス残しベルト付ストレートパンツ(税抜き1790円)、ラメ入り透かし編みニット(税抜き1790円)、〔メンズ〕コットンUSA裏毛トレーナー(税込み1500円)

 しまむらの2020年2月期決算発表によると売上高5,160億68百万円(前年比4.4%減)、

営業利益234億85百万円(前年比10.2%減)、経常利益235億51百万円(前年比10.5%減)と減収減益。

消費増税による消費マインドの冷え込み、4、7月度の低気温と記録的な暖冬、

台風上陸による店舗休業や営業時間の短縮など衣料品販売に厳しい環境だったと分析。

今期2021年度の業績見通しについては、コロナ感染拡大による来店客数減が見込まれ、

売上高減少の適正かつ合理的な算定が困難であるとの事から、業績見通しを見送った。

3月次は3/2週に売上が大きく落ち込んだ。紙おむつやお尻ふきなどの衛生雑貨が好調だった反面、

ミセス、シニア向けジャケットや婦人のセレモニー関連スーツなどの販売が伸び悩んだようだ。

 

ライトオン(既存店)売上高 60.9%、客数 64.7%、客単価 94.2%

〈主要施策〉LINE友だち限定キャンペーン(5,000円以上10%OFF)

〈話題の取り組み〉期間限定ベーシックTシャツ2枚目半額、快適を着るAGED LINEN

〈注目アイテム〉〔レディス〕アートプリントトレーナー(税抜き3990円)、〔メンズ〕キャンプセブン・スリーブロゴプリントロンT(税抜き3990円)、プラスワン・ベストレイヤード7分袖Tシャツ(税抜き3990円)

新型コロナウイルスの影響もあって集客が著しく減少、既存店売上高は大きく割り込んだ。

プリントTシャツやシェフパンツなどの売れ筋商品はあるものの、

全体の売上を挽回するまでには至らず既存店売上高の前年割れは10カ月連続。

 

 

〈3月のまとめ〉風評もあってパニック消費も生まれた

デマの拡散によって店頭からトイレットペーパーや飲料水などが消えるといった事態が生まれた。

しかしこのデマの拡散は最初に投稿された不安を煽ったツィートより、

その後に投稿された善意のツィートと呼ばれる注意喚起のツィートが拡散され、

その結果不安を煽るという想定しにくい事態が起こってしまうものだ。

情報ネットワークの行き届く現代で気を付けなければならないのが

「風評被害」真偽のわからない「噂うわさ」も善意のツィートという翼を広げて拡散していく。

実際、耳にする情報として「○○スーパーの従業員からコロナ感染者が出た」とか

「大型商業施設でコロナ感染者が出た」など。

これが地方に行くと○○市と○○市は都内からの交通アクセスが便利で利用者も多いことから、

「危ない、近づくな!」となるようだ。

コロナウイルス蔓延化防止のため、個々で充分に気をつける必要があると思うが、

くれぐれも行き過ぎには気をつけたいものだ。

 

3月は高気圧と低気圧が交互に通過したため数日の周期で変化。上旬は低気圧の影響を

うけやすかったが中旬以降は高気圧に覆われて晴れた日が多く、東京では気温も上昇し観測史上最も早い14日に開花、22日に満開を迎えた。

ダウンロード - 3e69c88e6b097e6b8a9e382b0e383a9e38395.pdf

 

<図表のキャプ>

東京都の平均最高気温は16.0℃、平均最低気温は6.2℃。昨年と比べて最高気温で+0.6℃、最低気温は同じ。29日に南岸低気圧で降雪を記録したものの、全国的にも気温は高く推移した。

 

(4月商戦のポイント)ネット販売の充実と試される機動力

緊急事態宣言により指定された7都府県では、百貨店のみならずルミネや商業施設でも

5月6日まで休業を決めたところもあって厳しい売上が予想される。

「巣ごもり消費」が主戦場となるに違いないが、生活者のウィルスに対する不安や経済、

生活面に関した不安を鳥拭われないことにはファッション関連のセールは厳しくなる事は安易に想像できる。

そこで俄かに注目を集めているのが「マスク」。

ほぼ世界的にマスク不足は指摘されていて、輸入に頼りっきりの我が国でも

異業種のシャープがマスク生産に着手。

アパレル分野でも「セントジェームス」、「バーバリー」、「ブルックスブラザース」

といったブランドでマスクの生産を始めている。

マスク不足に疲弊した生活者のココロにヒットするマスクを、

いち早くどこが提供できるのか。

出来れば繰り返し使えるようなマスクが有れば便利だろうと感じる生活者も多いだろう、

そんなニーズに応えるそれこそが商魂のあるファッション屋さんの出番となるはずだ。

 

 

 *印の企業=20日締め、*1=小売既存+ネット通販既存の合算数字、

*2=既存店+Eコマースの合算数字/*3=衣料品部門の数字、文中の売れ筋動向はIR情報および筆者視察によるもの。

 

2017年12月 9日 (土)

ファッションが果たす役割について

昔からよく「名は体を表す」といって。

人や物についた名は、その本質を良く言い表わしたものと云われています。
私は、そこで「身なりは人なり」と、感じる事がしばしばございまして
今日は、私の「身なりは人なり」を、
感じたエピソードに少しお付き合いください。

この間、ある民放の番組の中で、
元CAさんが、実家の農家を継いで岡山で桃を生産してました。
そこへ、フードコンサルの方がいらして。
色々とアドバイスしながら、新規開拓のお手伝いなどを経て
天候不良による減産だったにも関わらず、
前年比99%の収入で乗り切れました。
と、番組の内容はこんな感じでメデタシ、メデタシ的でした。

その元CAの女性の方の表情と身なりが、
どんどんと変わっていくのが、観ていて面白かったです。
当然、番組の趣旨と余り関係が無い部分でしょうから、
ファッションアドバイスがあった訳でも、
専門のへアメイクの方による指南があった訳でも無いのです。

女性でしたし、元CAさんという潜在的なリテラシーが
備わっていたのでしょうが、
最初に登場した時と、最期の売上報告していた時とは
まるで変わってしまっていました。
最後の登場時なんて、ピンクのセーターに
首元スカーフでしたからね。笑
本当にステキな女性に大変身してました!
外部コンサルが入って、
首都圏の高級フルーツ店の店頭で
試食案内したり、外部接触を経験する事によって、
その女性自身に自信が芽生え始めたのでしょう。

Peaches1329026_1280

こんな話も思い出しました。
米国でしたかね、。
貧困層の女性向けに就活スーツを無料レンタルして、
就職支援する活動があるようです。
「衿を正す」じゃありませんが、
そうした支援によって就職率もアップして
社会貢献に寄与しているケースもあるようです。

昔、制服規制が厳しく定められた学生時分には、
「服の乱れは、生活の乱れ」なんて言われ、注意されたのを想い出しました。苦笑
ファッションが果たす心理的なプラス面について、
語られる事ってあまり無いかもしれませんが、
私は、多いに有ると信じています。
少しずつでも、ファッションが与える心理的な効果や成功事例など
期を見ながら紹介していきたいと思います。

2017年12月 5日 (火)

今ドキの男子スタイルについて

消費傾向は、その時代時代によって

変わっていくものである。

それは何もファッションに限った事ではない。
今日は、身の回りの日用品市場について
少し考察していきたいと思う。

日用品市場は堅調傾向にあるようで
日本石鹸洗剤工業会の調査によれば
2016年国内出荷額は前年比21%増の約1,053億円。
過去5年で1.5倍に増えた。
各社、除菌効果等の付加価値商品を
増やしている事に加え、
市場の成長を後押ししているのが
購入主体の多様化が挙げられる。

Ea5f145eef5a89fb775102fe53213ec9

イスラエル発のボディケアブランドを
展開しているSABONでも男性購入者の割合も多く、
先日オープンしたPAROCO_yaでは
男性専用コーナーが設けられているほど。
全購入者の3割くらいが男性といった店舗もあるほどだ。

花王は6月に初めて男性をターゲットにした
柔軟仕上げ剤「ハミングファインDEO EX」を発売。
柔軟剤は女性人気の花の香りが定番だったが
「男臭さ」を抑えるシトラスの香りを付けた。
同社調査では成人男性の半数が、
1カ月に1回以上自分で洗濯するという。

71ef25ee27a41d084ae700be1648f15f

経済産業省の化学工業統計によると、
2014年の男性皮膚用化粧品の販売金額は222億3,900万円で、
10 年前の 2004 年(130 億 2,100 万円)と比較して
70.8%の大幅増となった。
皮膚用化粧品合計の販売金額は 2014 年(6,807 億 200 万円)と
2004 年(6,348 億 1,900 万円)を比較し 7.2%増であることから、
男性皮膚用化粧品の市場規模の増加ペースが
群を抜いていることが分かる。

化粧品だけでなく、これまで女性向けとされていた
エステや脱毛など幅広い分野においても
メンズ向け市場は広がりをみせている。
また、今まで美容に気を使う男子=美意識の高い一部の若者、
というイメージがあったが、近頃の 30~40 代向け男性誌では
女性誌顔負けのスキンケア特集が組まれていたりする。
今や性別や年齢に関係なく、
外見に気を使うことはごく自然な事のようだ。

メンズファッションもこうした美容、ケア商品と組み合わせたような
ブランディングがこれからますます有望視されるのではないか。

http://shogyokai.jp/articles/-/158

2017年11月25日 (土)

新たな潮流となるかZOZOSUIT

日本にもようやく根付きそうなシッピングイベントの

BLACK FRIDAYとユニクロ「誕生祭」の

大盛況ぶりに沸くここ数日の中でも、
一番注目したいNEWSが飛び込んできました。
それはZOZOSUITです。
商品取扱い高2,120億円(2017年3月期)を誇る
ファッションECセールストップのZOZOTOWNの
PB化に向けた布石。

http://zozo.jp/zozosuit/

この取り組みは凄い!!

ファッション産業は、20世紀初頭からの
工業化、大量生産システムの構築に
沿って既製品を主軸として流通してきた。
ファッショントレンドを発信する、
パリコレを始めとした主要ランウェイ界でも
オートクチュールよりプレタポルテが主流。
近年では、ファストファッションと呼ばれる
ブランドも登場し、それまで高嶺の華だった
オシャレでさえ手軽に楽しめる時代となった。

今日でもフルオーダーやパターンオーダーと
いったパターンメイドは存在する。
が、手間暇が係る上にコスト高は否めない。
ファッションとは元来、身に付ける商品で、
自分の身体に合ってしかるべき。
効率と云う名の既製品に従って、
各メーカー、ブランドが提供する
サイズスペックを身にまとう事、約1世紀。
身につけるだけで、採寸してくれるこのスーツ。
大いに期待したい!!

例えば
袖パーツを長・普・短、見頃を太・普・細、
着丈を長・普・短とこれらの要素を組み合わせたって、
従来のXS,S,M,L,XL etc...よりは
細かな対応が出来るけど、
そんなレベルじゃないでしょう。
計測ポイントがどの位あって、
どんな商品が出来るのか楽しみです。

さぁ、採寸スーツを着るために
採寸しなくちゃ、、、。
なんて、落語のオチみたいな事を
考えつつ、無料配布されるスーツを
オーダーしました。
このZOZOSUITオーダー時に、
必要な情報は身長(センチ刻み)と、
体重(キログラム単位)、そして年齢です。
2017y11m25d_060846684
無料といっても、送料と支払い手数料は生じます。
当たり前だけど、「無料」、「無料」って
商品は無料って事なのでしょうが、
この辺りがどうも、、、。
あと、このスーツは本来\3,000の商品なんだと
この時分かりました。

さぁ、どの位の申し込みがあるのでしょう。
まず、デザイン、用途から想像すると
モノ凄いZOZOTOWNファン、
ファッション、テクノロジー好きで、
新しいモノ好きや私を含めた業界関係者に
限られるでしよう。

あくまで採寸目的で、外に着て歩けそう
じゃなかったですから、。
ZOZOTOWNの社長さんが着ていた画像も
まるでライザップの宣伝みたいな絵でしたしね。
世の中の女性にもきてもらおうと思ったら、
せめてカラーリングの種類とか揃っていた方が
良かったでしょうに。
しかし、素晴らしい取り組みです!
これこそが、ファッションのパーソナライズ化
21世紀ファッションビジネスの基となりそうな
出来事として要注目です。

http://shogyokai.jp/articles/-/91

2017年10月30日 (月)

【不易流行】_フード文化とファッションについて 70年代

アパレル不振や嗜好の多様化などから

『ライフスタイル提案』という

切り口で事業領域を広げる

ブランド、ショップが増えてきた。

そうした中、

今回はファッションブランドが

展開する「食」に

ついて少しまとめてみました。

戦後、本格的に欧米化した

モノのひとつに「食」がある。

1969年に実施された飲食業の

100%資本自由化により、

米国を中心とした外国企業が

日本に進出しはじめた。

1970年は外食元年とも呼ばれる。

ダスキンと「ミスタードーナッツ」の

提携に始まり、東食がイギリスの

ハンバーガーチェーン「ウインピー」

資本提携。三菱商事が

「日本ケンタッキー・フライド・

チキン」を設立。

西武はアメリカ最大の

ドーナッツチェーン

「ダンキードーナッツ」と業務提携。

Wimpyburgerkings

上記のファーストフード以外に

「すかいらーく」、「小僧寿し」、

「ロイヤルホスト」と云った

ファミリーレストランも登場した。

「マクドナルド」が銀座4丁目に

出店したのは1971年7月で、

他にも「ドムドム」、

「ウィンピー」、

「バーガーシェフ」、

「ダンキンドーナッツ」、

「モスバーガー」、

「ディリークィーン」、「A&W」、

「ロッテリア」、

「ディパーダン」、

「明治サンテ・オレ」、

「サーティワンアイスクリーム」、

「森永ラブ」、

「ハーディーズ」、「ファーストキッチン」

がオープンした。

20160823_7e4900fire_king

上記写真はファイアーキング社製の

「バーガーシェフ」のマグ。

今ではプレミアム価格がついています。

半数は撤退・閉店したが、

4大ファーストフードと呼ばれる

ハンバーガー、フライドチキン、

ドーナッツ、アイスクリームの

主要チェーンの殆どが出揃った感じ。

1970年というと若い女性向きの雑誌

『an・an(アンアン)』

創刊された年でもある。

1971年創刊の

『non-no』(ノンノ)は、

多数のカラー写真による旅行特集を

掲載した。

美しい写真や記事に刺激され、

これらのファッション雑誌を

片手に持った多数の若い女性が、

特定の観光地に押しかけたので、

アンノン族と命名された。

2017y10m17d_063007227

3つボタンのブレザー

ボタンダウンシャツ

ポロシャツチノパンツ

コインローファーカーディガン、等が

代表的なアイテム。

ハイファッションのデザイナーによる

ジーンズを取り入れたファッションも

注目を集め、ジーンズはお洒落の

定番アイテムとして定着し始める。

このトラッドを基本に、

海外高級ブランドの商品を

合わせてコーディネートする

ファッションがニュートラ

そして神戸のお嬢様から発祥された

ニュートラと既存のニュートラと、

横浜独自の少し崩したニュートラが

溶け合って、完成されたのが

ハマトラと呼ばれた。

米国のサブカルチャー文化も

日本に渡来し、テニスやサーフィン

と云ったアメリカンスポーツが

日本で人気になる。

そうした背景から、ジーンズを中心に

ダウンジャケットやトレーナーなど、

カジュアルなファッションが

人気を集めるようになる。

2017y10m17d_063347687

因みにポパイの創刊は1976年だ。

1970年代は、欧米のファーストフードや

サブカルチャーが日本に、

上陸し始めた年でもあった。

そう、今から40年位昔の時代。

昨今の古着ブームしかり、

ファッションの懐古主義の始まりを

予感させます。

ビジネスオンライン商業界で

主要アパレル企業が手掛けるフードビジネスに

ついても書いています。

こちらも是非、ご一読を。

     ↓

http://shogyokai.jp/articles/-/41


2017年10月28日 (土)

ネット通販の送料負担について

今週はゾゾタウンが取り組む
送料オプションの結果が公表された。
結果は送料無料の選択が全体の43%を占め
平均送料は96円との結果だったようだ。
そして興味を引いたのは都道府県別に
平均送料のランキングが発表された事だ。
https://www.starttoday.jp/news/20171024-2879/

1位は福島県(それでも111.73円だが)で
ワースト5を奈良(86.05円)、大阪、兵庫、京都と
近畿2府2県が占めたとの事。
ある意味、お客の善意を試されるような
この取り組みと公表に少し違和感も覚える。

じゃあ、。
東北の方は人が良くて、
関西人がケチなのか。
そんな訳はない。
都道府県別ランキングと云うと、
その数日前に、衆議院選の都道県別の
投票率が発表されていた。
これは投票率の低さと云う問題意識が
共有され、
低かった都道府県では
次回の選挙に向けて広報や、
投票所の設置場所、
期日前の取り組みの活性など
取り組むべき点も見えてこようが、
送料に関しても「たくさん払え」と云う事なのか。
Package1511683_1920


少々話しが、
ややこしくなりそうなので。
私の感じるネット送料について述べたい。
それは、
送料・消費税込みの総額表記再ルール化
これが一番良いかも知れない。
だいたい、ネット送料がいくらなら適正で
いくらならお得かなんて問題は、
一般のお客にわかるわけがない。

そんな事より、
「安い!」と感じて買い進めた商品が、
消費税、送料が加算され、
当初思った金額より高く感じた事がある
お客も多いはず。
自分達の足と、
荷物を持って帰ると云う
労働の免除がタダなはずは無い。
そんな事は分かっていても
いつも「お買い得」を探してしまうのは
凡その人間の習性だといって過言ではない。

改めてネット通販における
送料負担について考えさせられる
内容だったと思う。

2017年10月18日 (水)

いよいよ熱い11月商戦が始まる!

今月もあと2週間弱で11月に突入。

クリスマス前の11月商戦は世界的に盛り上がる事に注目したい。

Shop2607121_1920

先頭は、中国の巨大市場が大いに盛り上げる11月11日

シングルディ(独身の日)。

昨年は最大手のアリババ集団で1日で前年比30%増の

約1.9兆円の売上を記録した。

注目はアリババ集団の天猫(Tモール)の公式ショップの

売上上位にユニクロがランキングされている。

昨年、レディス部門で1位、メンズ&キッズ部門で5位、

インナー部門でも7位にランクインした。

日本でもこの日を『いい買い物の日』として盛り上げて

いく動きがあるようです。

     ↓

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00446860

そして、後半戦として控えるのブラックフライディ

こちらの主戦場は欧米中心に毎年盛り上がっていますが、

昨年はイオンが本格的に取り組んで話題になりました。

ちょうどその時期はユニクロも『感謝祭』を毎年開催しています。

未だ詳細は分かりませんが、昨年から4日間だったのを

7日間に延長してます。

今年も11/23(祝)スタートが予想されます。

昨年、ぬいぐるみが一時完売、品薄状態で話題になった

カウズコラボを、今年は準備万端で挑むようです。

https://www.fashionsnap.com/news/2017-10-17/uniqlo-peanuts-kaws-2nd/

「ビジネスマンがあまりにもビジネス感覚でファッション界に入ってくると

クリエーションというのはなくなってしまうだろう」と言った

デザイナーがいたそうだ。

ハロウィン明けに熱い熱い11月を迎えそうです、

http://www.coco-bay.co.jp/posts/3076452

今年もいろいろと楽しめそうです。

より以前の記事一覧